批判を覚悟で書く。
赤福のどこが悪いのか。
確かに落ち度はあったが、これほど大騒ぎする事件ではないはずだ。食品製造の関係者は、そう思っているはずだ。
雪印事件では、食中毒が出た。原因は工場ラインの管理不足だった。
冬になるとあちこちで牡蠣の中毒が起きる。去年僕がラーメン屋をやっていた町でも、老舗の和食店で集団中毒が出た。
こういう実害が出た事件が、話題になるのは当然だ。
白い恋人は、賞味期限の改ざんのみで、だれも被害など受けていない。
今回の「赤福」は、大福の冷凍解凍という、どこでも当たり前にやっている事が発覚しただけで、こんなに問題になっている。被害者など一人もいない。無添加の生餅を冷凍するのは、常識である。
問題は、赤福にあるのではなく、混乱と縄張り争いを繰り返す官僚機構にあることが、何故皆分からないのだろうか。
今回の赤福の冷凍の件は、県の管轄保健所ではまったく問題なかったのだ。それが、農水省のJAS法基準に抵触した「疑い」があるだけだ。
背景には、行政のスリム化に抵抗する、官僚の危機意識がある。官僚が民間会社に対しての持つ最大の武器は、「許認可権」だ。
冷凍菓子を解凍する場合の表示基準は、実にあいまいだ。業界の実態に行政が追いついていない。
あいまいな実態のものを許認可するには、人の力が必要である。
それが大きくなれば、当然官僚の裁量の範囲が増える。そうなれば、人を増やさなければいけないし、予算も必要だ。
官僚は、かくして、無くてもいいところに仕事を造り、領分を増やす「本能」がある訳だ。
耐震偽装問題しかり、天下り問題しかり、金融ビッグバンしかり。
スリム化されているように見せかけながら、日本はますます官僚立国になりつつある。小泉・竹中改革の目玉だった銀行再編も、実質的に銀行の「国有化」を進め、ますます官僚の権限を大きくしただけではないか。
郵政民営化で郵便局は国営でなくなったが、新会社を管理監督する部署には、強大な権限が委譲された。汚いところは民間にやらせ、その上前をはねる役人の醜い魂胆のビッグプランが、郵政民営化だったのだ。そして、これから起きるさまざまの問題の責任は、官僚は絶対に取らない。
経営は民間、監督は官僚、というのが、「トップダウン」小泉の「改革」だった。
赤福の、白い恋人の命を握っているのは、営業権を与える権限を持っている官僚である。
赤福も白い恋人も、おいしい。こういう商品の命運を握るのは、消費者でなければならない。
今マスコミが追わなければならないのは、法の不備を放置してきた、官僚機構だ。
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